2017年9月下旬 2日目
やっぱり、朝起きても雨は降り続いていました。
今日の予定は、5年前に雪のために行けなかった、白根山の火口(湯釜)に行き、そこでゆっくりしてから今夜の宿、四万温泉の「鹿覗キセキノ湯 つるや」へ向かうつもりでした。
天気予報を確認すると、昼過ぎまでは雨が降り続き、その後曇りから夜には天気になって、明日からは晴れるようです。
なので、昨夜の作戦会議のとおり白根山は明日にして、今日は吾妻渓谷を経て四万温泉に行くことにしました。
朝10時頃に出発です。国道144号線から145号線に入り、まずは吾妻渓谷に向かいます。
休憩のために立ち寄ったのは、道の駅 「八ッ場(やんぱ)ふるさと館」です。もうこの頃には雨も上がっていました。
この道の駅は、八ッ場ダム建設事業により水没する地域の生活再建と地域振興を目的として建設・・・とあり、そういえばずいぶん前に、八ッ場ダムの建設問題で話題になった記憶があります。そう、このダムってまだ建設中だったんですね。
道の駅のすぐ横には、やはり八ッ場ダム建設のために架けられた、不動大橋(湖面2号橋)があります。橋を少し歩いてみました。
下を覗くと、とんでもない高さで目がくらみそう。橋までの高さは86mあり、ダムが完成すると一帯がダム湖となり、水没してしまいます。
遠くに小さく見える橋脚が、八ッ場大橋(湖面1号橋)で、そのすぐ向こうにダムが建設されているようです。
橋を反対側に渡って、上流側を眺めてみました。右下に小さく線路の一部が見えますが、この辺りも当然水没してしまうので、別の場所に付け替えられたようです。
このあと、吾妻(あがつま)渓谷に向かうのですが、目指した駐車場が、なんと工事中で駐車でません。少し離れた場所にも駐車場はあるようですが、あきらめることにして四万温泉に向かうことに。
国道145号線から国道353号線を北向けに入り、ちょうど四万温泉との中間辺りに、四万湖があります。
四万温泉の少し手前、国道横のすぐ下に、群馬県の天然記念物に指定された「四万の甌穴(おうけつ)群」があります。
甌穴とは、川の流れが渦巻き状になることで、石や砂が同じところを循環し、川底の岩盤と接触して浸食されてできた丸い穴のことで、数万年の月日をかけて作られたそうです。
このような大小の穴が8つあって、最大は直径8m、深さは3mを越えるそうです。
上から見ると少し岩の多い川にしか見えません。この辺りだけに甌穴ができるのは不思議ですね。
さて、いよいよ四万温泉街に入っていきます。川沿いにある駐車場に車を止めて温泉街を散策です。
やってきたのは、群馬名物の「焼きまんじゅう」が味わえる「島村」というお店で、ここ四万温泉では有名なお店らしい。
近くまで行くと、香ばしい美味しそうな匂いが漂っています。店の中には芸能人など有名な人のサイン色紙がたくさん飾っていました。
焼いているのを見ると、このまんじゅうけっこう大きいです。この大きさで200円は安いなあと思いながら、しかし昼食が遅かったので、ひとり1本は無理だろうと、申し訳ないと思いながらも、1本だけお願いして、二人で1本をいただくことにしました。
焼いているのは年配の女性、焼いている間ずっと話しかけてきてくれて、退屈しませんでしたね。とても気さくな話好きのおばさんです。
焼けるとそのまま手渡ししてくれるのかと思えば、ちゃんと皿に入れてくれました。さあ食べようと手に取った時、なんだか軽い感じ。思っていたものとはまったく違ってましたね。
まんじゅうというよりパンに近いような食感で、普通のまんじゅうのように、中にあんこが入っている訳ではないです。でも、甘辛い味噌が美味しかった。軽いので1人でも1本いけましたね。
「河原の湯」という名前のとおり四万川の河原にある無料の温泉です。
さきほどの焼きまんじゅうのおばさんに聞いてやってきました。「積善館(せきぜんかん)」という歴史のある宿で、ジブリの「千と千尋の神隠し」のモデルのひとつになった宿らしい。
歴史的価値のある建物だけあって、とても雰囲気のある宿です。
そういえば、四万温泉までの国道353号線の途中に「四万メローディーライン」があって、そこを通ると「千と千尋の神隠し」の歌「いつも何度でも」が流れますね。
さて、一旦温泉街を出て、更に奥にある四万川ダムへ向かいます。
四万川ダムへの途中いきなり目の前に現れたのがこの虹でした。それにしてもこんな近くに見える大きな虹は初めてです。すぐに車を止めて妻とふたりで撮影会です。
徐々に虹の色も薄くなり、ダムに着いた頃には虹の幅も小さくなった感じです。
そういえば、すっかり雨も上がって青空も出てきました。雨上がりの虹だったんですね。
奥四万湖の周回道路の一番奥側にある「しゃくなげの滝」です。付近にしゃくなげの花が咲くみたいです。
周回道路を走っていても、奥四万湖を見渡せる場所ってないですね。一周してダムの上からやっと見ることができました。それにしてもきれいな色をしています。
午後3時になりました。予定していた場所は一通りまわったので、宿に向かうことにします。今日の宿「鹿覗キセキノ湯 つるや」は、四万温泉の中でも最も奥にあり、四万川ダムの近くなんですね。
「鹿覗キセキノ湯 つるや」に到着です。
部屋は別邸美月庵の「月」、3階の最上階に1つだけの部屋です。エレベーターはなく階段を上がって行くのですが、3階に着くとすぐ目の前が部屋のドアになっていて、本当に3階はこの部屋だけみたい。
寝室はベッド、床に直接マットレスを敷いた低いベッドですね。
枕元には、今はもう見なくなったダイヤル式の黒電話が置かれてました。いやあ、懐かしい!
リビング・・・というよりダイニングですね。夕食、朝食ともここでいただきました。
この部屋に決めたのは、この露天風呂が気に入ったからなんですが、思っていたより浴槽は狭くて二人だとちょっと窮屈かも。
露天風呂の横にあるテラスから星空を撮ってみました。露天風呂とテラスの照明を消すと、周りの明かりがほとんどないので真っ暗になり、すばらしい星空が見ることができました。